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「新TOEICテストBEYOND990超上級問題+プロの極意」のレビュー

 


「例えば、TOEICで975点を取っている人が、そのまま単にTOEICを受け続けたとしても、990点は取れません。」

こう聞くと、「えっ?」と思いますよね。

 

 

 

「990点の人も975点の人も実力は変わらないのだから、TOEICテストを受け続けていくうちにミスがなくなって990点に到達するんじゃないの?」と、普通の人は考えるでしょう。

 

しかし、990点を何度も取っている人からすると、そんな甘い考え方は捨てなければ990点にはいつまでたっても到達できないとのことです。

 

ボクからのアドバイスは、「努力が足りねーんだよ。もっと勉強しやがれ」です。

(ヒロ前田先生;本書より)

 

今回紹介するTOEIC問題集「新TOEICテストBEYOND990超上級問題+プロの極意」は、TOEICで990点を何度も取っているヒロ前田先生とTEX加藤先生が、990点を狙う人のために「990点の真実」を本気で書いた本です。

 

ではレビューしていきます。

 

教材著者の紹介

本書の著者陣は、TOEIC教材の世界では有名な3人です。

 

ヒロ前田(ヒロ・まえだ)さん

TOEIC受験力UPトレーナー。

全国の企業・大学でスコアアップ指導を行う。

また、教員向けに「成果の出るTOEICの教え方」のセミナーも実施。

リサーチ目的でTOEICを毎回受験している。

TOEIC990点取得。

 

TEX加藤(テックス・かとう)さん

神戸市外国語大学外国語学部英米学科卒業後、大手家電メーカーや外資系企業に約20年間勤務、米軍基地の営業やバイヤーなどを担当。

神田外語学院、エッセンスイングリッシュスクールでTOEIC講師を務める。

2010年までに19回連続でTOEICを受験し、うち15回で990点取得

 

ロス・タロックさん

オーストラリア・クイーンズランド州のグリフィス大学ビジネス科卒業。

近畿日本ツーリスト入社後、ツアーコーディネイターとして6年勤務。

クイーンズランド工科大学で英語講師資格(TESOL)修得後、日本へ渡る。

公立中学校を経て、岡山学芸館高等学校勤務。

TOEIC990点取得。

(本書巻末より抜粋・編集。2011年時点なのでちょっと情報古いです)

 

当ブログでレビューしたTOEIC参考書・問題集の中にはこの3人の著書が多いですが、ヒロ前田先生とTEX加藤先生の共著は今回がはじめてです。

 

教材の概要

今回レビューする「新TOEICテストBEYOND990超上級問題+プロの極意」は次のような教材構成です。

 

■教材の概要

TOEIC パート1-7用問題集。

発行:株式会社アルク

2010年初版発行。

2016年からの新形式TOEICには未対応。

 

■テキスト

A5サイズ、255ページ。

 

■CD 2枚

CD1:問題編(79分)

テキストの問題音声を収録。

CD2:特訓編(62分)

リスニング力を上げるためのトレーニング用音声。

英文自体はテキストの問題のもの。

 

後述しますが、ヒロ前田先生による音読トレーニング解説が収録されている点はポイントが高いです。

 

 

 

学習内容の詳細

本書のタイトルは、「BEYOND 990」です。この意味は、「はじめに」の中でヒロ前田先生が次のように説明しています。

 

この本で大事にした視点というか理念は「990点のさらに先にあるものを目指す学習をすることで990点を取る」というものです。

 

つまり、990点を目標に学習していては、いつまでも990点が取れない!

 

そこで本書では、990点より上の実力を意識して、以下の3つを実践する内容となっています。

    • TOEIC形式のハイレベル問題
    • 負荷を高めた高地トレーニング問題
    • 英語力アップのための音声トレーニング

TOEIC問題集で、TOEIC形式から少し離れたトレーニング問題を収録しているものは珍しくありません。しかし本書では、英語力アップ用トレーニングについて、方法論だけでなく具体的に音声素材と解説が用意されているのが大きな特徴です。

 

テキストの構成はパートごとにまとめられているので、順番に見ていきます。

 

Part 1 写真描写問題

リスニング(問題パート1~4)はヒロ前田先生が担当。

 

990点を目指すならコレが極意!

上級者ですら落としてしまうような難問のタイプが解説されています。

 

 

練習問題4問

TOEIC形式の問題。

解説ページには、スクリプト、日本語訳、解説に加えて、「ハイスコアへの語句」、「コレが極意!」が書かれています。本書は上級者向けなので、「出題されることも(まれに)ある」ような変り種問題についても言及されています。

 

 

トレーニング問題 Menu 1

上級者でもミスをしがちな形の文を意識して聞き分けるためのトレーニング。

正解のものをすべて選ぶ。

TOEICでは選択肢4つですが、ここではあえて6つの選択肢で、しかも解答が一つではないので全部注意して聞く必要があります。

 

トレーニング問題 Menu 2

写真から、複数の正解候補を予測するトレーニング。

ここも6つの選択肢から適切なものをすべて選ぶ。

 

実践問題

TOEIC形式の問題6問。

語句がハイレベルだったり、あえて遠くのものを描写した選択肢が正解だったり、ふつう生活をしていてそんな発言をしないと思われる選択肢だったりと、解答するときに悩む問題が集められています。

 

以降のパートも、パート1と同じ構成になっています。

Part 2 応答問題

990点を目指すならコレが極意!

書かれているのはこんなことです。

・パート2の難問を解けるようになるには、TOEICから離れて本物の英会話に多く触れること

・正答率が低めの問題タイプ4パターン

 

練習問題

上の「正答率が低めの問題タイプ」を集めた問題6問。

 

トレーニング問題

「正答率が低めの問題タイプ」で、さらに、選択肢4つから正しいものをすべて選ぶ練習12問。

 

実践問題

TOEIC形式の問題12問。

 

Part 3 会話問題

990点を目指すならコレが極意!

リスニング力を鍛えることが超上級への近道であることを説きつつ、パート3で上級者が練習すべき問題タイプを3パターン紹介。

 

練習問題

上記の3パターンを練習する問題3セット。

 

トレーニング問題 Menu 1

本番では8秒ある設問間のポーズをあえて4秒に設定して、速読力を鍛えるトレーニング、3セット。

 

トレーニング問題 Menu 2

本番では1セットに設問3問だが、4問に答えることで集中力を鍛えるトレーニング、3セット。

 

トレーニング問題 Menu 2

本番では1セットに設問3問だが、4問に答えることで集中力を鍛えるトレーニング、3セット。

 

実践問題

TOEIC形式問題4セット。

 

Part 4 説明文問題

990点を目指すならコレが極意!

英語の実力を伸ばすことの重要性と、難易度が高い問題2タイプの解説。

 

練習問題

言い換え・抽象化された表現を含む問題や、ヒントの出現場所の予測が難しい問題など難易度の高い問題3セット。

 

トレーニング問題 Menu 1

本番では8秒ある設問間のポーズをあえて4秒に設定して、設問と選択肢の速読力を鍛えるトレーニング、3セット。

 

実践問題

TOEIC形式問題4セット。

 

Part 5 短文穴埋め問題

リーディング問題はTEX加藤先生が担当。

 

990点を目指すならコレが極意!

上級者がミスをしやすい問題タイプ5パターンが解説されています。

 

練習問題

10問。

 

トレーニング問題

例文中で、下線部が引かれた語句のうち、文法的に間違っているものを選んで正しく直すトレーニング、20問。(だいぶ昔のTOEICパート6に近い)

 

実践問題

TOEIC形式問題20問。「秒殺」できる問題は1問もないです。よく使う前置詞と名詞の組み合わせから外れているものが正解になっている(よく使うものを反射的に選んでしまう)とか、1つだけ語彙レベルが高い選択肢があって悩まされたり(しかもそれが正解選択肢ではない)とか、素直に解けない問題ばかりです。

加藤優先生の「900点特急Ⅱ」みたいな感じです。

 

Part 6 長文穴埋め問題

990点を目指すならコレが極意!

空欄を含む文の前後の文脈を考慮しないと解けない「文脈依存型」問題について解説されています。

 

練習問題

文脈依存型問題のみの問題1セット(3問)。

 

トレーニング問題

1文書に空欄が6つある文脈依存型問題、3セット。

 

実践問題

TOEIC形式問題1セット(3問)。

 

Part 7 読解問題

990点を目指すならコレが極意!

パート7で全問正解するために必要なポイント3点が解説されています。

 

練習問題

キビシ目に設定された制限時間で、TOEIC形式のシングルパッセージ2問、ダブルパッセージ1問を解く。

 

トレーニング問題

短時間で正確に文書の内容をつかむ力をつけるために、制限時間内で文書を読んで内容を把握し、文書を見直さずに設問に解答するトレーニング、3セット。

 

実践問題

TOEIC形式問題3セット。

 

ミニ模試

本番の約4分の1の問題数(51問)の模試。

リスニング、リーディングごとに設定されている制限時間にしたがって解く。

 

問題を解く学習については以上になります。

本書ではさらに、問題の英文を利用して英語力を上げるための、具体的なトレーニング法についても書かれています。

 

+αのリスニング対策(ヒロ前田先生)

リスニング力に限らず英語力を上げるための効果的な音読について解説されています。

 

  • 音読の大前提
  • 音読の種類とやり方(オーバーラッピング、シャドーイング)
  • 何回音読すれば十分か?の目安
  • 短期間で劇的にスコアを伸ばした人の実践した音読方法
  • 効果的ではない音読 3パターン
  • 理解のスピードを上げる音読の方法

 

 

特にCD2に、ヒロ前田先生によるPart4問題文のオーバーラッピングとシャドーイングの実演が収録されています。ラジオ講座のような雰囲気でヒロ前田先生が音読練習の講義をしてくれます。この教材で私がいちばん印象深いのはこのヒロ前田先生による音読講義でした。

 

ちなみに、TOEIC問題を使った音読トレーニングの教材といえば→「鬼の変速リスニング」良い教材です。

 

音声で特訓!問題の活用法

  • 超上級に到達するために不可欠な耳を作るスピード・リスニングの手順(専用音声あり)
  • 「直読直解」の感覚を養うスリーステップ・リスニングの手順(専用音声あり)
  • 絶大な効果を上げる、パート7リーディング素材を活用したリスニング&音読の手順(専用音声あり

 

「新TOEICテストBEYOND990超上級問題+プロの極意」の評価

 

■教材コンセプトは?

「990点より上の1200点とか1500点を目指すことでいつのまにか990点が取れているという状況を目指す」というコンセプトです。そのためにTOEICよりも負荷を高めたトレーニング問題や音声面トレーニングが用意されています。ただ、それだけの濃い内容を1冊にまとめようとしたことで、少し無理が生じている感はあります。

 

■効果が出るか?スコアアップが期待できるか?

本書は問題集の形を取ってはいますが、実際には解答ノウハウを解説するための「例題集」程度の問題数しかありません。練習用の問題が少ないです。本書で指南される視点・ノウハウを吸収して、ハイレベルな問題を多く解くことで、上級者が落しがちな難問をしっかり拾えるようになると期待できます。問題の中に仕掛けられている引っ掛けや落とし穴に対して敏感になるということです。

 

■実践可能な教材内容か?

「パート1とパート5を同時に解け」とか、そういった類のトンデモテクニック本ではありません。かなり負荷を高めたトレーニング問題が収録されていますが、スピードや精密さを高めて990点取得を図るものです。ただし、本書だけで990点を超越する英語力を手に入れることは無理であり、自分で工夫してトレーニングをする必要がある点は、著者が冒頭で強調しています。

 

気になった点、残念な点

・パート1問題は少し写真が見づらい。

・練習用の問題数が少ないため、「ドリル」としては使えない。

・問題の英文音声を使ったリスニング力アップ用トレーニングは、コラムの形で分散して書かれていて読みづらい。せっかくなので独立した章としてまとめて書いてほしかった。

・ヒロ前田先生の「男女問題は必ず解決せよ」の意味が不明(笑)。「必ず正答せよ」なら分かるんですが。TOEICに出てくる男女間の問題を受験者が解決することはできないですよね。(実際には、そんな問題が出題されたら大騒ぎですが)

 

 

向いていない人

・省エネな学習をして990点を目指す人。本書は、あくまで高得点者のノウハウ・視点・勘所を開示する教材であり、990点を実際に取得するには、そういったノウハウ等を吸収した上で他の問題集を解いたり、地道な音声トレーニングをこなしたりすることが必要。

 

総評

「新TOEICテストBEYOND990超上級問題+プロの極意」の総合評価・・・評価B(良い教材)

 

さて、本書はちょっと難しい評価になります。

 

先にも書きましたが、1冊の本でいろんなことをやろうとして、ちょっと無理が出てしまった感があります。「990点より先を見据えて、本物の英語力をつけよう!」というテーマと、「上級者が落としがちな問題に十分に備えよう」、というテーマとは、別の教材とするべきでした。

 

TEX加藤先生:『この本さえやれば、それだけで990点を取れる』なんて言えませんから。

ヒロ前田先生:はい、そんな本はありえないですし、表紙にそんなの書いたらウソです。

(本書「はじめに」より抜粋)

 

というやりとりのとおり、本書は、この本をやりこめば990点取れますよーという問題集ではなく、990点を取得するために必要なテクニック・学習ノウハウ集です。

 

つまり「ハイレベル問題」や「高地トレーニング」を例題として、着目点・解法アプローチなどを解説する本であり、そういったノウハウを学習者が吸収して、他の問題集で実践を積むというのが本書の活用法になります。

 

そんな性質の教材なので、問題数は少なめになっています。

その反面、解説の内容は濃いので、解説をしっかり理解したいところです。

 

TOEIC解答力を上げるテーマに加えて、英語力そのものをきたえる施策としてリスニング・音読のメソッドの解説があり、そのための音声素材が用意されているのも本書の特色です。

といっても、その内容は別に990点が視野に入っている人だけでなく、すべての学習者に有効なものです。

ですから本書の一部ではなく、初~中級者用の標準的な問題集に入ってるほうが自然だったのに、と感じました。

 

それはともかく、TOEIC教材で音読のトレーニングメソッドが具体的に解説され、その実践用の専用音声素材が提供されているのは優れた点です(2010年初版発行当時では画期的だったかも?)。

 

いろんなTOEIC講師の先生が、リスニングパート対策として「音読」を推奨していますが、本書ではリスニング対策に音読が有効な理由、効果的な音読方法(&効果的でない音読方法)など詳しく解説されています。初~中級者も大いに参考にできる部分です。

 

というわけで、本書をやれば990点取れるというものではないことを理解した上で、マニアックな問題も残らず拾いたい人に本書をおすすめします。

 

 

※本書は「新装版」が出ています。購入するなら新装版をどうぞ。

 

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